テサロニケ人への手紙第二(新改訳新約聖書(1965年版))
テサロニケ人への手紙第二
第1章
- パウロ、シルワノ、テモテから、私たちの父なる神および主イエス・キリストにあるテサロニケ人の教会へ。
- 父なる神と主イエス・キリストから、恵みと平安があなたがたの上にありますように。
- 兄弟たち。あなたがたのことについて、私たちはいつも神に感謝しなければなりません。そうするのが当然なのです。なぜならあなたがたの信仰が目に見えて成長し、あなたがたすべての間で、ひとりひとりに相互の愛が増し加わっているからです。
- それゆえ私たちは、神の諸教会の間で、あなたがたがすべての迫害と患難とに耐えながらその従順と信仰とを保っていることを、誇りとしています。
- このことは、あなたがたを神の国にふさわしい者とするため、神の正しいさばきを示すしるしであって、あなたがたが苦しみを受けているのは、この神の国のためです。
- つまり、あなたがたを苦しめる者には、報いとして苦しみを与え、
- 苦しめられているあなたがたには、私たちとともに、報いとして安息を与えてくださることは、神にとって正しいことなのです。そのことは、主イエスが、炎の中に、力ある御使いたちを従えて天から現われるときに起こります。
- そのとき主は、神を知らない人々や、私たちの主イエスの福音に従わない人々に報復されます。
- そのような人々は、主の御顔の前とその御力の栄光から退けられて、永遠の滅びの刑罰を受けるのです。
- その日に、主イエスは来られて、ご自分の聖徒たちによって栄光を受け、信じたすべての者の――そうです。あなたがたに対する私たちの証言は、信じられたのです。――感嘆の的となられます。
- そのためにも、私たちはいつも、あなたがたのために祈っています。どうか、私たちの神が、あなたがたをお召しにふさわしい者にし、また御力によって、善を慕うあらゆる願いと信仰の働きとを全うしてくださいますように。
- それは、私たちの神であり主であるイエス・キリストの恵みによって、主イエスの御名があなたがたの間であがめられ、あなたがたも主にあって栄光を受けるためです。
第2章
- さて兄弟たちよ。私たちの主イエス・キリストが再び来られることと、私たちが主のみもとに集められることに関して、あなたがたにお願いすることがあります。
- 霊によってでも、あるいはことばによってでも、あるいは私たちから出たかのような手紙によってでも、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いて、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。
- だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現われなければ、主の日は来ないからです。
- 彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。
- 私がまだあなたがたのところにいたとき、これらのことをよく話しておいたのを思い出しませんか。
- あなたがたが知っているとおり、彼がその定められた時に現われるようにと、いま引き止めているものがあるのです。
- 不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。
- その時になると、不法の人が現われますが、主は御口の息をもって彼を殺し、来臨の輝きをもって滅ぼしてしまわれます。
- 不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、
- また、滅びる人たちに対するあらゆる悪の欺きが行なわれます。なぜなら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。
- それゆえ神は、彼らが偽りを信じるように、惑わす力を送り込まれます。
- それは、真理を信じないで、悪を喜んでいたすべての者が、さばかれるためです。
- しかし、あなたがたのことについては、私たちはいつでも神に感謝しなければなりません。主に愛されている兄弟たち。神は、御霊によるきよめと、真理による信仰によって、あなたがたを、初めから救いにお選びになったからです。
- ですから神は、私たちの福音によってあなたがたを召し、私たちの主イエス・キリストの栄光を得させてくださったのです。
- そこで、兄弟たち。堅く立って、私たちのことば、または手紙によって教えられた言い伝えを守りなさい。
- どうか、私たちの主イエス・キリストであり、私たちの父なる神である方、すなわち、私たちを愛し、恵みによって永遠の慰めとすばらしい望みとを与えてくださった方ご自身が、
- あらゆる良いわざとことばとに進むよう、あなたがたの心を慰め、強めてくださいますように。
第3章
- 終わりに、兄弟たちよ。私たちのために祈ってください。主のみことばが、あなたがたのところでと同じように早く広まり、またあがめられますように。
- また、私たちが、ひねくれた悪人どもの手から救い出されますように。すべての人が信仰を持っているのではないからです。
- しかし、主は真実な方ですから、あなたがたを強くし、悪い者から守ってくださいます。
- 私たちが命じることを、あなたがたが現に実行しており、これからも実行してくれることを私たちは主にあって確信しています。
- どうか、主があなたがたの心を導いて、神の愛とキリストの忍耐とを持たせてくださいますように。
- 兄弟たちよ。主イエス・キリストの御名によって命じます。締まりのない歩み方をして私たちから受けた言い伝えに従わないでいる、すべての兄弟たちから離れていなさい。
- どのように私たちを見ならうべきかは、あなたがた自身が知っているのです。あなたがたのところで、私たちは締まりのないことはしなかったし、
- 人のパンをただで食べることもしませんでした。かえって、あなたがたのだれにも負担をかけまいとして、昼も夜も労苦しながら働き続けました。
- それは、私たちに権利がなかったからではなく、ただ私たちを見ならうようにと、身をもってあなたがたに模範を示すためでした。
- 私たちは、あなたがたのところにいたときにも、働きたくない者は食べるなと命じました。
- ところが、あなたがたの中には、何も仕事をせず、おせっかいばかりして、締まりのない歩み方をしている人たちがあると聞いています。
- こういう人たちには、主イエス・キリストによって、命じ、また勧めます。静かに仕事をし、自分で得たパンを食べなさい。
- しかしあなたがたは、たゆむことなく善を行ないなさい。兄弟たちよ。
- もし、この手紙に書いた私たちの指示に従わない者があれば、そのような人には、特に注意を払い、交際しないようにしなさい。彼が恥じ入るようになるためです。
- しかし、その人を敵とはみなさず、兄弟として戒めなさい。
- どうか、平和の主ご自身が、どんなばあいにも、いつも、あなたがたに平和を与えてくださいますように。どうか、主があなたがたすべてと、ともにおられますように。
- パウロが自分の手であいさつを書きます。これは私のどの手紙にもあるしるしです。これが私の手紙の書き方です。
- どうか、私たちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがたすべてとともにありますように。
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